バターの豊かな風味溢れる焼き菓子をご紹介!|大牟田市の洋菓子店プランツ

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バターの豊かな風味溢れる焼き菓子をご紹介!

焼き菓子の材料として一般的である「バター」。原料として用いられるのもそうですが、お菓子によってはバターの風味を最大限に生かしたものもあります。また、バターには複数の種類があり、それに応じた仕上がりの違いや用途の違いが見られます。バター一つとっても奥深いのが焼き菓子の世界です。今回は、焼き菓子に用いられるバターについて詳しく掘り下げるとともに、バターの風味を生かしたお菓子についてもご紹介していきます。

1.そもそも「バター」って?バターの持つ特徴とは

そもそもバターとは、一般的には牛の乳からクリームを分離させ、その中に含まれている脂肪分を練り、固めたものを言います。主成分は乳脂肪であり、乳脂肪分の占める割合は実に8割を超えています。お菓子作りに用いられる乳製品の代表格で、基本的には牛の乳から抽出したバターが用いられるため、漢字では「牛酪(ぎゅうらく)」と表記されるのです。

 

バターにはその複数の異なる性質に応じて生かし方が変わる材料であり、ことお菓子作りにおいて生かされるのは、主に以下の3つの性質になります。

 

1-1.サクサクの元!「ショートニング」

まずは「ショートニング」という性質があります。これは英語のショートネスに由来する言葉で、ショートネスとは「脆さ・砕けやすさ」を意味します。主に焼き菓子のサクサク感の元となっているのがこの性質であり、例えばクッキーやタルトといった固い食感の焼き菓子にこの特性が生かされています。

 

1-2.フワフワの元!「クリーミング」

もう一つよく知られているのが「クリーミング」という性質です。これはバターを溶かして混ぜ、撹拌させることにより多量の空気を含むという性質であり、これがパウンドケーキやドーナツなどのフワフワ感の元になっています。フワフワできめ細やかな仕上がりの柔らかい焼き菓子はこうして生まれます。

 

1-3.モチモチ感やボリュームの元!「伸展性」

「伸展性」とは、簡単に言えば叩くと伸びる性質です。バターをはじめとする固形油脂は大抵この性質を持っていて、さらに言えばこの性質の元となっているのが「可塑性(かそせい)」と呼ばれる、力が加わることで形を自在に変える性質です。可塑性を含む油脂とはちょうど「指で押した時に形が変わるくらいの硬さ」の油脂で、これはお菓子作りのレシピでもよく使われる表現です。

 

この性質を持ったバターを生地に練り込むことによって、「もともと伸展性や粘弾性のある、生地(小麦粉)に含まれているグルテンに、さらに可塑性のある油脂が練り込まれる」という作用が働き、生地そのものの伸展性がさらに上がることになります。これが、オーブンで焼いた際の膨らみやボリューム感、モチモチとした食感の元となるのです。

 

2.バターの種類には色々とある

バターと一口に言っても、全てが同じ特徴を持ち合わせているというわけではなく、実は細かい種類分けがあり、それぞれの特質がある、ということをご存じでしょうか。バターの種類としては、発酵させているかいないか、食塩を使用しているかどうかに大別されます。

 

2-1.発酵バター

発酵バターというのは文字通り発酵させているバターなのですが、これは原材料となる牛乳から抽出したクリームから脂肪分を抽出・精製する前に乳酸菌によって発酵させており、発酵による独特な匂いやコクがあるバターです。

 

この発酵バターの特徴が生かされているのがフィナンシェやガレットといった焼き菓子で、よりシンプルな焼き菓子ほど発酵バターならではの風味を生かすことができます。発酵バターを加熱し焦がしバターにすることで発酵バターの風味がより強まり、それを使用したフィナンシェは他とは大きく違う独自の仕上がりとなります。

 

2-2.非発酵バター

それに対して非発酵バターは文字通り発酵という過程を経ないバターで、発酵させないことによって癖のないすっきりとした味わいに仕上がります。日本ではもともと、あまり癖のない非発酵バターを使ってお菓子を作ることが多いです。シンプルにバターの風味をそのままに生かすことが可能です。

 

2-3. 有塩バター/食塩不使用バター

また、バターには食塩が用いられている「有塩バター」と、食塩が用いられていない「食塩不使用バター」というカテゴリ分けもあります。一般的にはバター以外の風味を損ねず、かつバターそのものの風味をより引き立てることができる「食塩不使用バター」が焼き菓子には多く用いられます。

 

3.バターとマーガリンの違いって?

バターとマーガリンはよく混同される傾向にあります。一般家庭においてパンやトーストによく塗られるのはバターよりもマーガリンが多いですが、これはバターよりもマーガリンの方が安価だからです。しかしバターとマーガリンは安価かそうでないか価格以外にも決定的な違いがあります。

 

それは、バターは牛乳から抽出される動物性の脂質であるのに対し、マーガリンは植物性脂肪が用いられているということです。また、マーガリンにはバターと違って乳化剤や保存料、香料などの添加剤が用いられており、油も加えられているため、非常に油っぽいのが特徴です。

 

より自然にある物質そのものの風味を味わいたいなら、価格は高くてもバター一択ということになります。特にお菓子作りにマーガリンを使ってしまうとその油っぽさが非常に強くなってしまい、油の匂いが強く感じられるというデメリットが際立ち、大きく風味が損なわれてしまいます。そのため、お菓子作りにはバター、というのが鉄則です。

 

4.バターの風味を生かした焼き菓子って? 種類には色々とある

例えばバターの風味が豊かに感じられ、バターの影響を受けやすいお菓子の代表例としてはフィナンシェがあります。フィナンシェにおいて発酵バターの風味を生かそうと腕を振るうパティシエが増えたことによって個性が出やすくなりました。

 

他にはバタークッキー、プレーンなパウンドケーキ、マドレーヌ、ガレットなどがあります。バターの芳醇な香りと味わい、そしてバターそのものが持つ物質的な特性が、さまざまなお菓子に生かされているのです。

 

5.まとめ

バターの特徴、特質と、マーガリンとの違いをまとめた上で、バターの風味が生かされた菓子の例を挙げました。お菓子作りにはバターが欠かせません。その理由についてもご理解頂けたのではないでしょうか。

※大牟田市の洋菓子店パティスリープランツでは、バターの風味をふんだんに楽しんいただくため、マーガリンは使用しておりません。

福岡県大牟田市にある洋菓子店「Patisserie plantes(パティスリープランツ)」では、西洋生まれの定番・人気な西洋菓子を多く取り揃えています。地元である九州産、福岡産、大牟田産の原材料にこだわり、風味豊かなスイーツを味わうことができます。地元ならではの風味を存分に味わってみてください。